令和6年10月
横浜市長 山中 竹春 様
民主フォーラム横浜市会議員団
団長 こがゆ康弘
令和7年度 予算編成に向けた要望と提言にあたって
横浜市では、人口減少と超高齢社会の到来がいよいよ現実のものとなり、今後の市政運営においては一層の改革や効率化が求められます。また、急速な物価上昇や気候変動に伴う異常気象や災害の深刻化など、私たちの直面する課題は多岐にわたっています。こうした課題が地域経済や市民生活に及ぼす影響が深刻化する中、横浜市としては今後、安定した財政運営と市民にとって不可欠な行政サービスの提供を両立させることが極めて重要となります。
こうした背景の中で、将来を見据えた適切な政策決定とそれに基づく具体的な施策が一層求められており、これまでの考え方を脱して新たな時代にふさわしい市政の姿を描き、市民共創を実現していく必要があります。
私たち民主フォーラム横浜市会議員団は、日常の活動を通じて直接市民から得た声や、議会での議論を基に、今後の横浜市に必要な重要施策を34項目にまとめました。この内容は、特に取り組むべき課題に焦点を当てたもので、具体的な提言と要望を含んでおります。
今回、私たちの会派による予算要望書は3回目の提出となりますが、急速に変化する社会情勢の中で、横浜市の未来を見据えた重要な施策に焦点を当てています。つきましては、予算編成においては、これらの提言を十分にご考慮いただくことを要望いたします。
民主フォーラム横浜市会議員団
団長 こがゆ康弘(旭区 6期)
副団長 坂本勝司(戸塚区 4期)
議員 二井くみよ(磯子区 2期)
議員 深作ゆい(都筑区 1期)

目次
- 01.特別市制度
- 02.住民投票条例の制定
- 03.公契約条例の制定
- 04.差別のない社会、人に優しい横浜市に向けて
- 05.持続可能な財政運営
- 06.公共インフラにおける市民サービスの向上
- 07.給食調理室の労働環境の改善
- 08.歳入改革
- 09.ふるさと納税への対応
- 10.新感染症対策
- 11.メンタル不調を気軽に相談できる環境整備
- 12.脱炭素社会の推進
- 13.クリーンエネルギーの積極的活用
- 14.防災・減災対策の強化・拡充
- 15.上下水道の早期耐震化
- 16.保留児童解消に向けた取組み
- 17.児童福祉・高齢福祉
- 18.子育て支援施策
- 19.いじめ再発防止への取組み
- 20.中学校給食
- 21.放課後キッズクラブ・学童保育
- 22.3歳児健診における屈折検査機器導入
- 23.敬老パスIC化と制度見直し
- 24.高齢者が安心して暮らせる福祉政策
- 25.障がい児者が安心して暮らせる福祉政策
- 26.山下ふ頭跡地の効果的活用
- 27.国際園芸博覧会の建設コストと機運醸成
- 28.旧上瀬谷通信施設跡地の活用及び周辺のインフラ整備
- 29.米軍根岸住宅地区跡地の効果的活用
- 30.生成AIの活用
- 31.地域交通の拡充・強化
- 32.地域活動の活性化、地域力強化に向けた取組み
- 33.観光施策の拡充と推進
- 34.市内中小企業の基礎的支援と脱炭素化の推進
01.特別市制度
県と市の二重行政を解消し、より効率的・効果的な行政サービスの提供が可能となる「特別市制度」の実現に向けて、今後も他の指定都市と連携しながら国での法制化に向けて効果的かつ具体的な働きかけを行っていくこと。また、機運を高めるための市民への広報活動において、本市は今年度から新たなプロモーションツールを活用しているが、動画の視聴回数等の実績は他の政令指定都市の後塵を拝している。市民への認知度を着実に高めていくため、広報活動の手法や中身を再検討し実効性あるものとしていくこと。
02.住民投票条例の制定
他の政令指定都市に倣い、常設型の住民投票条例の制定の必要性について議会とともに具体的な検討を行うこと。住民投票とは二元代表制による間接民主主義を補強するために直接民主制の要素を取り入れた制度である。議会と行政が十分に議論することは当然だが、その前提に加えて市民が直接的に市政の重要事項に関わる機会を設けることは検討されるべきである。開かれた市政を目指し、市民目線に立って取り組むこと。
03.公契約条例の制定
県内の他の政令指定都市に倣い、速やかに公契約条例の制定を行うこと。昨今の物価高騰は著しく、入札時の最低制限価格の引き上げのみでは労働者の労働環境の改善や労働条件を守るための環境整備への対応としては不十分と考える。条例制定により賃金を一定水準以上に保障することで過度な価格競争を抑制し、労働者が安心安全に働ける横浜市を実現すること。
04.差別のない社会、人に優しい横浜市に向けて
SNSでの誹謗中傷やカスタマーハラスメントのない横浜市の実現に向けて条例制定を検討すること。差別や対人関係のトラブルが増加し続けている中、本市の人権施策基本指針に沿った個別対応や啓発のみでは複雑かつ多岐に亘る問題を解決することが困難になってきている。積極的解決を図るためにも本市も他自治体に倣って条例制定の検討を行うこと。
05.持続可能な財政運営
持続可能な財政運営の実現に向けて、財政ビジョンで示した「2030年度までに500億円程度の歳出削減」と減債基金活用額の段階的な縮減に着実に取り組むこと。現状や将来の課題の危機感を市民の皆様と共有し、共感していただくための情報発信のあり方など更なる工夫を行うとともに、より多くの市民にご協力いただけるものとなるよう取り組むこと。また、市税収入上振れ分については安易に補正予算への充当を図ることなく、財政健全化に資する使途を優先させること。
06.公共インフラにおける市民サービスの向上
横浜市公共施設等総合管理計画におけるマネジメント3原則を元に、市民サービスの維持・向上に資する公共施設やインフラの保全更新を着実に行っていくこと。特にニーズの高い体育館への空調の設置や市民利用施設及び学校施設の和式トイレの洋式トイレへの改修を速やかに進めていくこと。
07.給食調理室の労働環境の改善
学校の給食調理室は特に夏は酷暑で厳しい労働環境となっている。従前より調理員の皆様から職場環境改善のご要望の声を多くいただいており、議会でも頻繁にやり取りが行われている。給食調理室の室内環境を温度25℃以下、湿度は80%以下に保つことができるよう、市内300校以上のすべての給食調理室への空調設備の設置と低輻射釜への変更にスピード感を持って取り組むこと。
08.歳入改革
歳出改革と両輪で「歳入改革」も精力的に取り組む必要があり、都市経営の視点を職員一人ひとりが持つための意識改革を進めること。特に、事業の企画・立案から財源確保もセットで取り組むよう周知徹底を図る取組みの具体的な成果を示すこと。また、道路施設をはじめとするネーミングライツ事業での歳入は更に増やせる余地があると考えており、目標額を定めるなど現状の事業内容の強化を図ること。併せて、インバウンドの増加を具体的な歳入確保に繋げるための観光施策を積極的に展開していくこと。
09.ふるさと納税への対応
ふるさと納税による本市の住民税流出額は全国一位の状況が続いており、令和5年度は272億円であったが、令和6年度は304億6700万円と更に拡大している。地方交付税措置がなされるとはいえ、実質的な減収額は76億円と巨額で看過できない。今後はこの実質的な減収額をゼロとすることを目標に定め、達成に向けて返礼品の魅力向上や種類の多様化など新たな取組みを行っていくこと。また、都市部における地方交付税補填割合の拡充や制度の抜本的な見直しを国に対して引き続き要望していくこと。
10.新感染症対策
新型コロナウイルス感染症の大流行を経て、国では新感染症対策の行動計画を十年ぶりに改定している。この中では、急拡大する感染症の危機、繰り返す流行の波への対応を想定し、医療体制の整備など「平時の備え」を充実することを柱にしている。本市もこうした国の動きを踏まえつつ、平時からの実効性ある訓練実施やDX推進、病床確保や要援護者支援が的確に行える体制整備等についての対策や計画を策定し、今後の感染有事に備えること。また、流行期であった3年間の対応・対策の実施状況や成果・課題を詳細に記録として残すとともに、それらを教訓として、柔軟に計画を見直しながら最善のものへと改善・変更していくこと。
11.メンタル不調を気軽に相談できる環境整備
コロナ禍以降、経済的な要因も加わり、引きこもり状態や社会から孤立状態となったことで、精神に不調を抱える方が増えている。こうした社会環境の中で本市も心の悩みや不安に寄り添えるよう様々な相談窓口を設けているが、種類や連絡先が多岐に亘るため当事者にとって最適な相談先が分かりにくいという課題がある。当事者側の目線に立ってもっと相談窓口が分かりやすくなるよう情報発信の方法を検討し、より一層多くの方の課題解決につながるよう制度や体制を整えていくこと。
12.脱炭素社会の推進
横浜市は2050年のカーボンニュートラル達成に向けて、中期的には2030年度に温室効果ガス削減目標50%を掲げている。本市の掲げる再生可能エネルギー活用戦略では、2030年の再生可能エネルギー導入量目安を59万kWとしているが、一年平均で1.5万kW程度の導入しか進められていない現状では現実的に厳しいと言わざるを得ない。こうした現状をふまえ、排出削減や再エネ導入が可能かつ余地の大きな分野や施設に支援を集中させるなど施策効果の加速化に向けて戦略を練り直すこと。また、行政のみならず民間の協力も必要となるため、一例として本市ではほとんど設置されていないソーラーシェアリングの取組みも有効と考える。こうした新たな取組みや既存事業の強化に向けて、区・局が連携して取り組むこと。
13.クリーンエネルギーの積極的活用
本市の公共施設等で必要となるエネルギーについて、今後はグリーンアンモニア、グリーン水素等、化石燃料を使用しないクリーンな電力の導入について、数値目標を設定し、達成に向けて取組むこと。また、GREEN×EXPO 2027で使用するエネルギーは原則「グリーン由来」のものとし、環境との調和をしっかりアピールするとともに、開催後の上瀬谷地区全体の脱炭素化推進に向けてはクリーンエネルギーを取り入れた環境に優しい先進的な都市モデルを構築すること。
14.防災・減災対策の強化・拡充
自然災害に強い街づくりや防災インフラの整備等大規模災害への備えを進めるための災害対策予算は、近年削減の傾向にある。市民の命を守るために全体の予算規模を拡充すること。また、感震ブレーカ設置促進・不燃化強化路線の狭あい道路の拡幅・空き家跡地活用支援の方策の検討状況・津波避難施設の拡充・福祉避難所の確保に向けた社会福祉施設等への働きかけなどこれまでに実施済み施策については実績を示すとともに、更なる強化推進に向けてスピード感を持って取り組んでいくこと。また、今年度策定される「新たな防災戦略」については、策定後に課題等が生じた場合は柔軟に対応し、年々激甚化する災害への対策を強化すること。
15.上下水道の早期耐震化
大地震での水道管破裂や復旧の遅れを教訓に、横浜市も上下水道の耐震化を急ぐ必要がある。しかし、現在のペースでは大口径管等の耐震化だけでも約35年という長い年月を要する。今後数十年以内には高確率で大地震が発生する状況にあるにも関わらず危機感が乏しいと言わざるを得ない。すべての管径の耐震化にはさらに長期間を要することや、断水からの復旧方法が不明瞭であることは問題であり、市民の不安を払拭するためにも全口径の耐震化計画の具体的なスケジュールを明示するとともに、ペースアップを図ること。また、そのためには多額の予算が必要となることから、水道局だけでなく、危機管理の一部として市庁部局予算からの積み増しを図ること。
16.保留児童解消に向けた取組み
待機児童及び保留児童の解消を図ること。令和5年4月時点の保留児童の分析結果を見ると、1・2歳児の受入枠確保及び単願によるミスマッチの解消が継続的な課題となっている。対策の方向性としてスポット的な定員増を柔軟に進めていく必要性もあるが、定員割れ園への対策も鑑みて、例えばインセンティブの導入など、アクセスの悪い場所でも申請してもらえる工夫がないかという視点でのより一層の検討を図ること。又、小規模保育事業の利用を促すため、魅力やメリットの周知等について更なる工夫を行うこと。
17.児童福祉・高齢福祉
既に複数回実施された「社会福祉及び児童福祉施設への物価高騰対策支援事業」は、財源の多くが国費であるとはいえ一時的・短期的な少額の支援では効果は限定的と言わざるを得ない。施設のニーズを丁寧に汲み取りながら今後は施設の本質的な経営安定に資する施策を検討すること。又、本市の障害児者の数は増加傾向にあり、認知症の高齢者も確実に増加していく中、当事者とそのご家族の意志が極力尊重できる制度体制を確立すべきである。もしも手帳等を更にあらゆる機会で活用するとともに、任意後見制度や家族信託の周知に努め、利用者増に具体的につながる実効性ある取組みができるよう早急に検討すること。
18.子育て支援施策
本市は子育て支援施策に特に注力してきた結果、こども青少年局予算は10年前から1.6倍になっている。一方で出生数・合計特殊出生率及び0歳から5歳までの子どもの人口、これら具体的数値の全てが10年前に比べて減少し続けている。現在子育てに関連した施策の成果を測る指標としてアンケート結果に基づくものを採用しており抽象的な印象は否めない。今後は子育て支援施策の効果を測るためにデータに基づく適切な指標、客観的な成果指標を設定し、その指標の状況を踏まえてより効果的な施策を展開すること。また、小児医療費助成制度は無償化の対象を「18歳以下で所得制限なし」まで拡大するよう検討するとともに、必要な財源確保策について十分な議論を行うこと。また、こうした子育て支援策は住む場所によって条件に違いが生じないよう、国が一律の制度として予算も含めて対応するよう強く要望すること。
19.いじめ再発防止への取組み
学校でのいじめ再発防止に向け、方面別事務所の役割や機能を明確にする必要がある。各事務所が地域のニーズに応じた対応を効率的に行い、学校や家庭との連携を強化し、迅速かつ適切な支援が行われるよう体制の抜本的な見直しを図ること。また、市庁部局に第三者機関を設置し、公正かつ客観的な視点から問題解決を図る仕組みを構築すること。こうした見直しにより、子どもたちが安全に安心して学べる環境を速やかに確保すること。
20.中学校給食
デリバリー方式による中学校給食が令和8年度から全員喫食となることとされているが、課題となっている残食率・温かさ・アレルギー対応等の解消に向けて現段階から具体的な検討を行うこと。また給食に異物混入が相次ぐなどして安全性への疑念が広がっている。当事者や市民に対してより丁寧な説明を行うとともに、契約において委託業者への研修強化や衛生管理の厳格化等を徹底し、契約不履行の場合の対応等について細かく定めること。
21.放課後キッズクラブ・学童保育
新たに導入された夏休み期間のお弁当提供について、利用者・非利用者のアンケート調査を実施し、成果・課題を整理して改善を図ること。特にアレルギー対応の表示漏れは命に関わる重大な過失であり、不安の声が多く寄せられ、結果的に利用率の低下に繋がっているものと考える。事業者に再発防止を徹底するとともに、再発防止策を適時確認すること。また、放課後キッズクラブでは利用者増に伴い、季節によっては教室内の過密状態が課題となっているため、速やかに改善を図ること。一方、学童保育では人手不足や運営への課題を多数伺っている。こども達にとって快適な居場所を提供していくためにも、指導員にとって働きやすく続けられるための支援の拡充に取り組んでいくこと。
22.3歳児健診における屈折検査機器導入
子どもの視力は3歳頃までに急速に発達し、6歳から8歳頃に成人とほぼ同等になり生涯の視力が決まると言われており、3歳児に実施する視覚検査は視力の発達や遅れ、弱視、目の疾患を早期に発見し治療へつなげる重要な機会となる。しかし、本市の3歳児健診においては一次検査で異常があった子どもに対してのみSVS等を用いた屈折検査を実施しており、視覚異常を見逃している可能性がある。3歳児健診の全対象者に対しSVS等を用いた屈折検査を実施すること。
23.敬老パスIC化と制度見直し
敬老パスIC化による調査結果では、75歳以上の利用回数が全体の73%を占めるなど年齢や地域により偏りがあることが明らかとなっている。今後のさらなる高齢者人口の増加を見据えて、本制度が持続可能なものとなるためにも、先ずは制度のあり方について再度有識者による委員会を設置し、その答申をもとに、利用者負担の適正化などの見直しを行うこと。また、各事業者の負担額については、乗車回数や運賃見直しなど実績に見合った助成額となるよう見直しを検討すること。また、75歳以上の無償化については、今後複数年の利用実績調査に基づきその費用対効果を慎重に分析し、市民意見募集なども踏まえて“ありき”の議論とならないよう慎重に議論すること。
24.高齢者が安心して暮らせる福祉政策
超高齢社会が進展する中、在宅で介護される方も増えている。しかし「老々介護」に代表されるように、精神的・肉体的負担も大きいことから、在宅介護を支援する小規模多機能型居宅介護事業所の未整備圏域の早期解消に向けて着実に取り組むこと。また、高齢者の単身世帯率も上昇傾向にある中で、健康寿命を伸ばして介護予防や認知症予防施策を推進することは、これまで以上に重要である。そのため、単身世帯支援を地域包括ケアシステムに効果的に導入し、生活支援や社会参加を促すこと。加えて、国の制度改正の動向も見ながら本市において低利用の状況にある成年後見制度の啓発強化や積極的活用を促し、不安を抱えて生活されている方々のニーズにきめ細かく対応するための体制を整えていくこと。
25.障がい児者が安心して暮らせる福祉政策
横浜市多機能型拠点は市内6か所での整備方針が示されているが、現状は4か所に留まっている。障がい児者が今後も増え続けると予測される中、福祉施設の数は足りていない。将来的には障がい支援区分を持っていても福祉サービスを利用できない方が生じる事態も想定されることから、残り2か所の整備に向けて早急に取り組んでいくこと。又、人材不足や経営難で苦労している福祉事業所も多いことから、ニーズを的確に汲み取りながら他自治体の事例も参考に本市独自の処遇改善加算を検討すること。
26.山下ふ頭跡地の効果的活用
山下ふ頭の再開発に関する検討委員会において、委員からは市民が計画づくりや政策決定の過程に関与できる機会を担保するよう要望が出された。また委員長が途中辞任する事態も生じた。当局は議論の透明性確保に努めており一定の評価はしているが、委員からの更なる指摘については真摯に耳を傾けて対応し、再開発事業が真に市民の納得感を得られるものとなるよう最大限の配慮に努めること。そのためにも、事業計画や事業者の決定及び完成時期等についても現在示されているスケジュールにとらわれることなく、20~30年後の横浜市や内港地区の在り方を踏まえて、将来の山下ふ頭地区が真に必要な機能を有し、国内外から高く評価されるよう、十分な議論を尽くすこと。
27.国際園芸博覧会の建設コストと機運醸成
GREEN×EXPO 2027の建設コストについて物価上昇や建設現場の人手不足の影響等を踏まえ、最新の状況を反映した工事費用の積算を早期に行うとともに、市費負担分についてはより分かりやすく周知を行い市民の理解を得るよう努めること。また、GREEN×EXPO 2027の認知度が低く来場者目標数の達成に危機感を感じている。市民の機運醸成の手法を検証するとともに、誰にとっても魅力的なコンテンツを導入し、広くPRすることで目標達成に向けて取り組むこと。
28.旧上瀬谷通信施設跡地の活用及び周辺のインフラ整備
新たなインターチェンジ及び連節バス専用トンネルの整備には820億円以上の公費負担が見込まれており、資材高騰の影響で更に予算が膨らむ可能性もある。また、跡地全体の活用の考え方としては、将来にわたり市民にとって必要な機能は何かを多方面から検証し、持続可能なまちづくりに向けた開発としていくべきである。今後は、整備手法や採算性・費用負担の在り方等について議論が行われることになるが、インターチェンジや連節バス専用トンネルの事業内容について多くの市民に情報を開示し意見を募るとともに、そうした意見を十分反映させること。
29.米軍根岸住宅地区跡地の効果的活用
米軍根岸住宅地区の跡地について、文教ゾーンへの市立大学付属の医学部・研究施設設置に関し今後は基本計画原案が作成されて市民意見募集が行われることになるが、住宅地等ゾーン及び森林公園ゾーンを含め再整備の進め方について市民の意見を聴取し十分に反映させること。当該地区は本市の都心臨海部にも近く約43haもの広大な面積を有する好立地好条件の場所であり、医学部生等若者の流入や地域活性化、世代間交流の拠点形成にも期待できる。また、大規模災害時にはその有利な立地条件を活用して臨海部の広域避難場所や応援拠点としての土地利用も可能である。また、市大医学部と附属病院との一体整備を行うことで、学びと実践の場所を近接させるのみならず、避難場所に近接する災害時医療機関としての機能を持たせることも可能である。今後はこうした視点から街ぐるみで一体感が生まれる利活用方法を検討し、本市全体の発展や防災機能強化に資する街づくりを行うこと。
30.生成AIの活用
自治体における生成AIの活用は、今後より一層加速することが想定される。本市においても各分野で可能な限り導入を進めること。また、活用にあたっては、行政内部における業務効率に資することに加え、市民サービスに資する活用手法も積極的に検討すること。例えばフレイル予防や介護サービス計画作成、子育て施策や問合せ対応等において既に活用実績がある他都市の好事例を研究しながら速やかに導入を図ること。
31.地域交通の拡充・強化
中期計画で示された地域の総合的な移動サービスの運用に向けて、これまでの実証実験から得られた運行距離や実証期間の課題を踏まえつつ、速やかに地域交通の体系化と地域に適合した方法での実用化を進めること。また、地域の総合的な移動サービスには福祉的視点から公費の導入も不可欠と考える。交通不便地域の解消という本質的な問題解決に向けては対象地域や年齢制限などを設けることなく、公平かつ持続可能な地域交通を実現するため、十分な予算を確保すること。
32.地域活動の活性化、地域力強化に向けた取組み
自治会町内会の負担軽減には様々な手法を組み合わせながら好事例も参考に、更に取組みを強化していくこと。その際には、区役所の地区担当制度もより一層活用し、これまでの地域負担の軽減に対する取組成果と課題を区局で共有し次年度の効果的な施策へと反映すること。また、地域のつながりづくり、災害時や見守り活動など地域力が発揮される活動への、DXの活用とそのPRの充実など、具体的な取り組みを地域に発信すること。
33.観光施策の拡充と推進
昨年の観光客数は前年比23.2%増の3600万人でコロナ前水準まで回復している。本市は「横浜市観光・MICE戦略」において平均約3460億円の観光消費額を2030年までに5000億円にするという目標を掲げている。目指す姿の実現に向けた4つの戦略においても、各々細かく目標を設定しつつ達成に向けて進めていくこと。又、こうした目標の実現に向けては観光客数と一人あたりの消費額双方を増やしていくことが求められる。本市は日帰り客が多いという課題がある。横浜駅・関内周辺やみなとみらい地区において今後は高級ホテルや複合施設が開業する予定もあり、こうした好機を活かし、行政主導のイベントとのタイアップや宿泊者へのインセンティブ付与など様々な工夫で滞在日数増に取り組むこと。
34.市内中小企業の基礎的支援と脱炭素化の推進
コロナ禍で始まった実質無利子・無担保融資利用後の倒産件数は増加しており、令和5年度の神奈川県内の倒産件数は前年比22.6%増でコロナ以前の水準に戻っている。コロナ対応融資の返済や物価高等の厳しい経営環境で、今後も市内中小企業の倒産が増えていく可能性がある。また、本市は脱炭素化に資する設備投資事業も実施しているが、事業者数に占める補助件数が少ないため全体的な波及効果や実態把握を捉えにくい現状にある。脱炭素化やサーキュラーエコノミーに取組むためのコストが経営を圧迫し、意欲があっても着手できない事業者が一定割合存在することも考えられる。専門家の訪問による経営支援や設備投資に関する相談支援体制を強化し、よりきめ細かく事業者のニーズを聞き取って着実な支援につなげていくこと。
以上